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2012法令の話。
防火上の「建築物の界壁、間仕切壁及び隔壁」について、定義してある条文です。
この法令は、
もしも火災が発生した場合、
急激な火災の燃え広がりを防ぐために、
一定の間隔で燃えにくい壁を作って下さい。
火災は天井裏を伝って燃え広がるから、
その壁は天井裏にも立ち上げて下さい。
という事のようで、
法令の参考書にもそういう解釈で解説されています。
つまり、
「火災が発生した部屋」と「避難経路」は区画しないといけないよ。
と謳っている、とても重要な条文のはずなのですが、
定義があいまいで、
『どこに設けなさい』とは条文中には書いてありません。
開口部については定義していないので、
開口部に関しては制限なし(あくまで天井裏からの燃え広がりを重要視してるんだろうな~)
と、審査側の立場からも一般的に解釈されていますが、
例えばパーテーションは開口部として扱って良いかどうか等の微妙さがあります。
こういった場合、
法令を補助する形で「建築物の防火避難規定の解説」をはじめとする
法令参考書の内容を準用するのですが、
それでも判断できない場合は建築主事に相談するなりして判断してもらう必要があります。
学校や病院、児童福祉施設等では、ほぼ検討が必要になるこの法令。
114条区画をもっと強力にした防火区画(法36条、令112条)を
補助する目的で定義されたんでしょうけど、
内容的にも人命に関わる重要な条文なのに、
いつまで経っても放置されて各自治体に判断を委ねている(自治体によって判断が異なる)
状態はどうなんでしょうね…。
先日、建築主事と打ち合わせた案件は、
部屋の中に部屋を作る場合にパーテーションで区切った場合、
114条区画の適用を受けるかどうか。
(例えば、広~いホールの一角にパーテーションで喫煙コーナーを作るような感じかな?)
回答は、
受けないとの事でした。
理由は、
部屋の1部を便宜上区切る目的に過ぎないので、
今回の場合は114条区画の定義からは外して考えてよい。
ただし、
部屋と避難経路(廊下等)の関係の場合はそういう訳にはいかないよね。
との事。
なるほどね。
何で今日はこんな事語ったのかというと、
設計の上で建築基準法は順守しなければならないけど、
あいまいな部分があって困る~!
(この条文に限らず法令のあいまいな表現は結構あります)
法令に書いてないからいらないと思ってたものが、
実は必要だったり、その逆があったりすると、
建築コストの面にも大きく影響してきますからね~。
という事を言いたかったのです。。
とはいえ、知っておきべき知らない事もまだまだ多いので、日々勉強中です。。
※上記自治体によって判断が異なるそうなので、あいまいな条文に関しては、まず建築主事と相談が基本ですね。